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龍福寺

泡瀬 (沖縄市) のサンエー衣料館とレストラン国のある交差点から米軍泡瀬通信施設向けに進み100m先を右に入った所に、龍福寺がある。泡瀬ビジュルのすぐ近くだ。

龍福寺_e0182674_1955797.jpg黄色い建物の2階に文殊菩薩がまつられている。
寺務所を探しても見当たらず、どの扉も閉められていたので、窓外から文殊菩薩に礼拝して帰ることにした。


沖縄本島の最初の仏教寺院は、英祖王の時代(1260-1299)、浦添城の “西” に建立された極楽寺と伝えられている。
尚円王の時代(1470-1476)に、浦添城の南に移転し、龍福寺と改められた。

琉球新報社発行の『沖縄コンパクト事典』(2003年)には、現存しないと書かれている。
沖縄へ着いて、まず護国寺に行き、『沖縄仏教史』(1968年、護国寺発行)を入手して調べたが、それにも「龍福寺」は現存しないと書かれている。



龍福寺_e0182674_19563117.jpg礼拝をして帰ろうとしたら、アパートを挟んで隣りの一般的な建物に、「龍福寺」と掲げられているのを見つけた。

2階に寺務所があり、尋ねてみた。


琉球国時代から続く龍福寺に間違いなかった。
大正13年か14年に美里村(現沖縄市)の人々の要望で、泡瀬に建立したこと。
戦後、この周辺は、アメリカに土地を接収されたため、寺の再建がなかなか出来なかったこと。

などなど、ご住職からお話を伺い、 「しっかり勉強してください。」 というお言葉を頂いた。



沖縄は、仏教が浸透していないと言われるが、住民が仏教寺院を誘致するようなこともあるのだ。沖縄県民でも知る人は少ないだろう。

戦後、強制接収された土地が返還されたのは、昭和40年から58年にかけてだった。
返還後に再建されたが、『沖縄仏教史』が書かれたのは、昭和43年なので、「現存しない」となり、これを基にした情報が今でも流れているのだろう。




寺号:天徳山龍福寺 (てんとくさん りゅうふくじ)
宗派:臨済宗 妙心寺派
本尊:文殊菩薩
創建:尚円王時代(1470-1476年)
開山:芥隠禅師

住所:沖縄県沖縄市泡瀬2丁目16-10

参拝:2012年8月

by tappee | 2012-09-12 20:10 | 神社寺院 (琉球=沖縄) | Trackback | Comments(0)

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